朝夕にぐっと冷え込み、空気中の露が霜となって降りてくる頃。暦の上では秋も終わりに近づき、徐々に冬の到来を感じる季節です。
日照時間が5時間を下回る日々が続いた今年ですが、やっと秋空が広がるようになってきました。20度を下回るようになると一斉に広葉樹が色づき始め、どこからともなくどんぐりの実が落ちる音が聞こえてきます。多様な生き物や植物たちが織りなす、秋のMURAYAMAオーケストラの始まりです。古代中国から伝わり、日本で根付いた農事暦。一年を二十四等分し、その季節ごとにふさわしい名前を付けた自然の暦です。
人々は、植物や生き物、自然の微妙な変化を感じ取り、農業をはじめ暮らしに役立てて来ました。時には、天災などの危険を避ける上でも重要なものでした。自然が営む再生循環と季節の移ろいをからだ全体で感じ、それを読み解いていく。まさに自然と共生してきた証しともいえます。