空から降るものが雪から雨に替わる頃。深く積もった雪も融け始め、春一番の声も聞こえてきます。
2月に入り、今のところMURAYAMAでは目立った降雪はありません。冬枯れの大地が、薄っすらとした乳白に染まった程度でした。冬の間に蓄えていた生命の息吹が、樹々たちからは聞こえ始めようとしています。暖かさと寒さを繰り返しながら、一歩一歩春の懐へと近付いています。古代中国から伝わり、日本で根付いた農事暦。一年を二十四等分し、その季節ごとにふさわしい名前を付けた自然の暦です。
人々は、植物や生き物、自然の微妙な変化を感じ取り、農業をはじめ暮らしに役立てて来ました。時には、天災などの危険を避ける上でも重要なものでした。自然が営む再生循環と季節の移ろいをからだ全体で感じ、それを読み解いていく。まさに自然と共生してきた証しともいえます。