寒さも峠を越え、春の気配が感じられる頃。今年の立春は124年ぶりに2月3日となり、その前日の2月2日が節分に当たります。
古来より、人は節分に豆をまき、邪気を払って一年の無病息災を祈ってきました。大地でも、かすかな梅の香りが辺りを清めていってくれます。かたく結ばれていた蕾が緩み出せば、春へ一歩前進。鳥や虫たちも姿をあらわし始め、二十四節気もまた新たな巡りに入っていきます。
古代中国から伝わり、日本で根付いた農事暦。一年を二十四等分し、その季節ごとにふさわしい名前を付けた自然の暦です。
人々は、植物や生き物、自然の微妙な変化を感じ取り、農業をはじめ暮らしに役立てて来ました。時には、天災などの危険を避ける上でも重要なものでした。自然が営む再生循環と季節の移ろいをからだ全体で感じ、それを読み解いていく。まさに自然と共生してきた証しともいえます。