冬の気配が、山にも里にも感じられるようになる頃。徐々に日差しも弱くなり、顔に触れる空気もひんやり冷たくなっていきます。
十一月を迎え、ようやく富士山にも雪化粧が施されました。大地からは緑色が薄れ、冬の佇まいへと変わっていきます。たわわに実った銀杏や十月桜が青空に映える様は、まるで暖色と寒色が綱引きをしているかのようです。ほんの一日で季節が様変りしていくMURAYAMAです。
古代中国から伝わり、日本で根付いた農事暦。一年を二十四等分し、その季節ごとにふさわしい名前を付けた自然の暦です。
人々は、植物や生き物、自然の微妙な変化を感じ取り、農業をはじめ暮らしに役立てて来ました。時には、天災などの危険を避ける上でも重要なものでした。自然が営む再生循環と季節の移ろいをからだ全体で感じ、それを読み解いていく。まさに自然と共生してきた証しともいえます。