空から降る雪やあられが、雨に変わる頃。大地に積もった霜や氷も解けて、水となっていきます。
春の雨に少しずつ大地が潤いを取り戻していきます。夜が明け朝を迎える頃、静から生へと移り行く一時です。
そこここで、草木の萌芽のきざしが感じられてきます。忍び寄る春の気配に、草木が蘇りの時を心待ちにしているようです。
寒い日が三日ほど続くとその後四日間ぐらいは暖かくなるという意の、三寒四温。これを繰り返しながら、だんだん春へと向かっていきます。
この時季、陽気も高まり昔から農耕の準備を始める目安ともされてきました。間もなく春一番が大地を渡って行きます。(写真:1月の降雪時)
古代中国から伝わり、日本で根付いた農事暦。一年を二十四等分し、その季節ごとにふさわしい名前を付けた自然の暦です。
人々は、植物や生き物、自然の微妙な変化を感じ取り、農業をはじめ暮らしに役立てて来ました。時には、天災などの危険を避ける上でも重要なものでした。自然が営む再生循環と季節の移ろいをからだ全体で感じ、それを読み解いていく。まさに自然と共生してきた証しともいえます。