冬と春の分かれ目にあたり、旧暦では一年の初めとされます。徐々に暖かくなり、梅の蕾も膨らんできます。
去る1月30日、夜半から降り出した雨がやがて雪と変わり、瞬く間に大地を白く覆いつくしました。立春という暖かな響きをよそに、冬がまだ居座っているようです。
朝、しっかりと霜柱が立っている日は、天気がよいとされます。これは夜間を通して快晴で冷え込んでいる状態で、いいかえれば高気圧に覆われているからだそうです。
もうじきやってくる東からの春の風が、はりつめた氷を融かしていきます。知らず知らずにゆっくりと春が目覚めていくことでしょう。
「春が来れば梅が咲く」ではなく「梅が咲くから春が来る」とも。人も「どう生きるかで人生が決まる」ということの例えなのかもしれません。
古代中国から伝わり、日本で根付いた農事暦。一年を二十四等分し、その季節ごとにふさわしい名前を付けた自然の暦です。
人々は、植物や生き物、自然の微妙な変化を感じ取り、農業をはじめ暮らしに役立てて来ました。時には、天災などの危険を避ける上でも重要なものでした。自然が営む再生循環と季節の移ろいをからだ全体で感じ、それを読み解いていく。まさに自然と共生してきた証しともいえます。