秋の入り口。しかしながら、一年の平均気温が一番高くなる頃でもあります。これ以降の暑さを残暑といいます。
8月に入り、夏本番というにはすっきりしない天候が続く関東地方。大地からもまだ湿り気が感じられます。そんな中、夕暮れには虫たちがはかなげな宴を響かせています。何処からともなく聞こえてくるヒグラシの鳴き声といい、早くも夏の中に秋の歩みが聞こえてきます。古代中国から伝わり、日本で根付いた農事暦。一年を二十四等分し、その季節ごとにふさわしい名前を付けた自然の暦です。
人々は、植物や生き物、自然の微妙な変化を感じ取り、農業をはじめ暮らしに役立てて来ました。時には、天災などの危険を避ける上でも重要なものでした。自然が営む再生循環と季節の移ろいをからだ全体で感じ、それを読み解いていく。まさに自然と共生してきた証しともいえます。