陽気に誘われ、土の中の虫たちが動き出す頃。一雨ごとに春になっていく気配が感じられる時季です。
寒い日が3日、そのあと4日ほど温暖な日が続き、また寒くなるという意の三寒四温。元来は冬の季語に使われていたようですが、最近では春の訪れを表すようになってきたそうです。
コブシの花芽も膨らんできました。つぼみが開く直前の形が子供のにぎりこぶしに似ているところからこの名前になったそうです。
大地には、大犬のフグリが咲き乱れていました。雑草に宿った瑠璃色のその美しさに、高浜虚子も次のように詠っています。
「犬ふぐり 星のまたたく 如くなり」
MURAYAMAの定点から臨む富士山に、霞がかかることが多くなってきました。春がまた一歩、近づいて来ているのを感じます。
古代中国から伝わり、日本で根付いた農事暦。一年を二十四等分し、その季節ごとにふさわしい名前を付けた自然の暦です。
人々は、植物や生き物、自然の微妙な変化を感じ取り、農業をはじめ暮らしに役立てて来ました。時には、天災などの危険を避ける上でも重要なものでした。自然が営む再生循環と季節の移ろいをからだ全体で感じ、それを読み解いていく。まさに自然と共生してきた証しともいえます。