その名の通り、清く明らかなこと。すがすがしく明るい空気に満ち、まさに春たけなわの頃です。
今年の桜前線は、例年より2週間近く早くやってきました。そして、ちょうど満開を迎える頃にやってくる花チラシの雨もまた、この頃の常です。
この時季によくある曇天を「花曇り」、この頃の寒さを「花冷え」というように、桜に寄せる思いがいくつもの言葉になって表されてきました。春を寿ぐ心模様が細やかに紡がれています。
大地を突き上げ、地中から新しい命たちが顔をのぞかせてきます。生命力溢れるチカラが、大地にみなぎります。
古代中国から伝わり、日本で根付いた農事暦。一年を二十四等分し、その季節ごとにふさわしい名前を付けた自然の暦です。
人々は、植物や生き物、自然の微妙な変化を感じ取り、農業をはじめ暮らしに役立てて来ました。時には、天災などの危険を避ける上でも重要なものでした。自然が営む再生循環と季節の移ろいをからだ全体で感じ、それを読み解いていく。まさに自然と共生してきた証しともいえます。