二十四節気で数える一年の始め。
まだまだ寒さの厳しい時期ですが、春の気配をほのかに感じ始められる頃。冷たい北風が徐々に東風と変わり、湖や池の氷を少しずつとかしていきます。
お昼間の陽光が氷をとかし始めた頃、ハクセキレイが舞い降りてきました。生き物たちが、少しずつですが顔をのぞかせ始めました。春の足音が聞こえているのでしょう。
朝、生まれたての日光が樹々を抜け、頬を柔らかく照らしてくれます。辺りの冬の風景に、うっすらと春の色が浮び上がってきます。
一見冬枯れした様に見える樹々たちも、その枝先に春を待ちわびる芽が宿っていました。そんな思いを雀は知っているのでしょうか?鶯の初鳴きも間もなく届けられるでしょう。
古代中国から伝わり、日本で根付いた農事暦。一年を二十四等分し、その季節ごとにふさわしい名前を付けた自然の暦です。
人々は、植物や生き物、自然の微妙な変化を感じ取り、農業をはじめ暮らしに役立てて来ました。時には、天災などの危険を避ける上でも重要なものでした。自然が営む再生循環と季節の移ろいをからだ全体で感じ、それを読み解いていく。まさに自然と共生してきた証しともいえます。