芒種とは稲や麦などの種を指し、「穀物の種蒔きをする頃」という意味が含まれています。この時期、待望されるのは適量の雨。
暦では、入梅は6月11日。この日から約30日間が梅雨とされています。
この時期に降る雨を旧暦にちなみ、五月雨(さみだれ)と呼びます。その語源は、やまと言葉で「さ」は聖なる、「みだれ」は水垂れの意を指すそうです。稲の成長に欠かせない、大切な雨です。
山や森は大量の雨を吸い込み、大地に蓄え、天然のダムになります。MURAYAMAの大地も少しずつ保水力を取り戻し、来るべき夏に備える自然の力がよみがえって来ている様に思えます。
昨年の古い草を刈ると、そこに鳥たちが集まってきます。枯れた草むらにいる虫たちをついばんでいるのでしょう。小さな食物連鎖の輪が、ここにもあります。
ヤマボウシの花が咲いていました。その名前の由来は、比叡山延暦寺の「山法師」だそうです。中央の丸い花穂が坊主頭で、その周りの花びらを白い頭巾に見立てたとか…
古代中国から伝わり、日本で根付いた農事暦。一年を二十四等分し、その季節ごとにふさわしい名前を付けた自然の暦です。
人々は、植物や生き物、自然の微妙な変化を感じ取り、農業をはじめ暮らしに役立てて来ました。時には、天災などの危険を避ける上でも重要なものでした。自然が営む再生循環と季節の移ろいをからだ全体で感じ、それを読み解いていく。まさに自然と共生してきた証しともいえます。