やわらかな春雨の季節。
百穀をうるおし、発芽をうながす恵みの雨となります。八十八夜を迎える頃、一番茶の茶摘みや田畑の種まきが始まり、少し汗ばむ春の終わりです。
4月初旬、満開のMURAYAMAの桜の頭上に日輪が現れました。
桜の「サ」は穀霊「クラ」は神座の意味とされ、山から田の神が降りるヨリシロとされたそうです。
春雨がワダチに水たまりを作っていました。しばらくの間、水の鏡には万象が映し出され、やがて静かに消え去っていきます。
潤いを取り戻し始めた大地には、小さな生命が戻ってきました。
敬称などに用いられる聖 (ひじり) の語源は「日知り」だとか。太古から、月や太陽の運行を知り、季節や天候を読める者が尊ばれたからかも知れません。
古代中国から伝わり、日本で根付いた農事暦。一年を二十四等分し、その季節ごとにふさわしい名前を付けた自然の暦です。
人々は、植物や生き物、自然の微妙な変化を感じ取り、農業をはじめ暮らしに役立てて来ました。時には、天災などの危険を避ける上でも重要なものでした。自然が営む再生循環と季節の移ろいをからだ全体で感じ、それを読み解いていく。まさに自然と共生してきた証しともいえます。