芒(のぎ)とは、麦や稲などのトゲのような突起のある穀物をさします。この時季、麦を刈り取り稲を植え始めたことから、芒種と呼ばれています。
蒸し暑い日とひんやりとした日が交互に訪れ、いよいよ梅雨入りの報も聞かれはじめる頃です。各地では、カマキリやホタルが現れ、梅の実も黄ばみ始めます。
一雨降った後の水たまりでは、ツバメが泥を口に含んで行ったり来たり。きっと巣作りの真っ最中なのでしょう。
白い花が受粉すると黄色に変わる吸葛(すいがずら)。花を口にくわえると甘い密の味がする事から、この名がついたそうです。
ヤマボウシの花の中心にある実は、秋には真っ赤に色付き形もサッカーボールのようになります。毎年驚かされるその形状が、今から楽しみです。
古代中国から伝わり、日本で根付いた農事暦。一年を二十四等分し、その季節ごとにふさわしい名前を付けた自然の暦です。
人々は、植物や生き物、自然の微妙な変化を感じ取り、農業をはじめ暮らしに役立てて来ました。時には、天災などの危険を避ける上でも重要なものでした。自然が営む再生循環と季節の移ろいをからだ全体で感じ、それを読み解いていく。まさに自然と共生してきた証しともいえます。