「日短きこと至る(きわまる)」という、一年で最も昼が短くなる頃。この日を境に再び日が延びていくことから「一陽来復」とも言われています。
2ヶ月前の「霜降」の折には、緑を蓄えていた大地は今や一面茶褐色に(写真1枚目)。当たり前の毎日の風景は、実はひと時たりとも同じ風景ではないことに気付かされます。1日24時間、1年365日、絶えず刻み続けられる時。年末の慌ただしい時期ですが、少し時間のスケールを変えてみると、見えなかったものが見えてくるかもしれません。
古代中国から伝わり、日本で根付いた農事暦。一年を二十四等分し、その季節ごとにふさわしい名前を付けた自然の暦です。
人々は、植物や生き物、自然の微妙な変化を感じ取り、農業をはじめ暮らしに役立てて来ました。時には、天災などの危険を避ける上でも重要なものでした。自然が営む再生循環と季節の移ろいをからだ全体で感じ、それを読み解いていく。まさに自然と共生してきた証しともいえます。