暦の上では、この日から夏。
万緑に包まれ、一年でもっともさわやかな季節です。茶つみが始まる八十八夜のこの頃、初夏の陽がまぶしくなってきます。
五月晴れのもと、青葉・若葉が太陽の光にキラキラと輝いています。何処からともなく聞こえてきそうな「鳥音」「風音」に、思わず耳を澄ましたくなります。
この時期、夏日といえる気温の高い日でも湿度が少なく、さわやかな風が頬をなでて行きます。まさに「若夏」という言葉がいかにもふさわしく思えます。
南の沖縄では梅雨入り、北では桜の見頃、日本列島を南北にのびた季節の強い絆が感じられます。MURAYAMAでもゴールデンウィークを過ぎると、うっすら汗ばむ薄暑が続く夏の始まりです。
古代中国から伝わり、日本で根付いた農事暦。一年を二十四等分し、その季節ごとにふさわしい名前を付けた自然の暦です。
人々は、植物や生き物、自然の微妙な変化を感じ取り、農業をはじめ暮らしに役立てて来ました。時には、天災などの危険を避ける上でも重要なものでした。自然が営む再生循環と季節の移ろいをからだ全体で感じ、それを読み解いていく。まさに自然と共生してきた証しともいえます。