梅雨が明け、いよいよ本格的な夏になる頃のこと。蓮の花も咲き始め、蝉の鳴き声がどこからともなく聞こえてきます。
午前5時過ぎ。東の空から差し込む強い朝日が、真如ヤーナを照らしはじめました。くっきりとした樹々の影が、大地にすっと伸びていきます。夜の静けさがほどけるように、今年もネムノキの大樹には、淡紅色の花がたくさん咲きました。本格的な暑さの入口となるこの頃から、「暑中」と呼ばれる約一か月が始まります。
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古代中国から伝わり、日本で根付いた農事暦。一年を二十四等分し、その季節ごとにふさわしい名前を付けた自然の暦です。
人々は、植物や生き物、自然の微妙な変化を感じ取り、農業をはじめ暮らしに役立てて来ました。時には、天災などの危険を避ける上でも重要なものでした。自然が営む再生循環と季節の移ろいをからだ全体で感じ、それを読み解いていく。まさに自然と共生してきた証しともいえます。