太陽が真東から昇り真西に沈む、昼夜平分の日です。
この日を境に、昼間の時間が少しずつ短くなって行きます。
木の葉がほんのりと染まり始め、自然は更に秋へと姿を変えて行きます。
今年も黄花コスモスの花が一面に咲きました。遠くから見ると大地にカーペットを敷いた様です。その名前の由来は、「秩序」「飾り」「美しい」を意味するギリシア語のコスモスから来たそうです。
お彼岸を迎え、秋もいよいよ本番です。樹々の葉や実は色付き、来るべき冬に向けての準備を着々と進めています。
夏に盛大に生い茂った草むらを刈り込む際、所々に鳥や虫たちのサンクチュアリを残しました。夜には、草むらで虫たちのオーケストラがこれから本番を迎えます。大自然が奏でる芸術の秋です。
今年の中秋の名月は10月3日。
ポッカリと浮かんだ真ん丸いお月様を見上げると「なにごとのおわしますかはしらねどもかたじけなさに涙こぼるる」と西行法師が詠んだ、森羅万象への畏怖の念を改め思い起こさせてくれます。
古代中国から伝わり、日本で根付いた農事暦。一年を二十四等分し、その季節ごとにふさわしい名前を付けた自然の暦です。
人々は、植物や生き物、自然の微妙な変化を感じ取り、農業をはじめ暮らしに役立てて来ました。時には、天災などの危険を避ける上でも重要なものでした。自然が営む再生循環と季節の移ろいをからだ全体で感じ、それを読み解いていく。まさに自然と共生してきた証しともいえます。