いよいよ本格的な冬の到来が感じられる頃。日ごとに冷え込みが増し、はく息も徐々に白くなっていきます。
北からの冷たい風が青空に雲の文様を残し、樹々の葉を揺らしていきます。敷き詰められた落ち葉からは、カサカサッとかすかな音が聞こえ始めました。実ったものはやがて大地に還っていき、また新たな生命に生まれ変わる季節です。
MURAYAMAから観た月食の模様(2021年11月19日撮影)
古代中国から伝わり、日本で根付いた農事暦。一年を二十四等分し、その季節ごとにふさわしい名前を付けた自然の暦です。
人々は、植物や生き物、自然の微妙な変化を感じ取り、農業をはじめ暮らしに役立てて来ました。時には、天災などの危険を避ける上でも重要なものでした。自然が営む再生循環と季節の移ろいをからだ全体で感じ、それを読み解いていく。まさに自然と共生してきた証しともいえます。