凍てつくような厳しい寒さが続く頃。川の水も凍り付く季節です。
寒さを利用した食物が仕込まれ、この季節ならではの恵みをもたらしてくれます。
午前6時過ぎ静かに夜が明ける頃、一瞬の静寂があたりを包み込みます。そして太陽が昇ってくると、一斉に鳥たちが鳴き始め生き物たちの息吹が高鳴ります。
大地に足を運ぶと、ザックザックと音がしてきます。そこには、薄い氷のベールで包まれた植物たちが、慎ましくも美しい姿を現しています。
寒明け(節分)までは、あとわずか。
寒さの峠を越えればそこに待ちわびた春の温もりが待っています。節分で鬼を追い払ったら、次の日はもう立春です。
古代中国から伝わり、日本で根付いた農事暦。一年を二十四等分し、その季節ごとにふさわしい名前を付けた自然の暦です。
人々は、植物や生き物、自然の微妙な変化を感じ取り、農業をはじめ暮らしに役立てて来ました。時には、天災などの危険を避ける上でも重要なものでした。自然が営む再生循環と季節の移ろいをからだ全体で感じ、それを読み解いていく。まさに自然と共生してきた証しともいえます。