露が凍りそうになる頃。
秋の長雨も終わり、本格的な秋の深まりが感じられます。五穀の収穫もたけなわになってきます。
春は霞み、秋は霧と呼び、同じ自然現象でもおもむきの違いをとらえ言葉を使い分けています。人の豊かさとは、時々の自然を感じ取るチカラで計られるものなのかも知れませんね。
実りの秋は感謝の季節です。花々が、まるで大地に秋色の彩りを添えて祝っているようです。
十三夜の月は、古来より日本人にとっては特別な月でした。満月と違い完全ではないこの慎ましさが、かえって日本人の心を魅了したのでしょうか…
古代中国から伝わり、日本で根付いた農事暦。一年を二十四等分し、その季節ごとにふさわしい名前を付けた自然の暦です。
人々は、植物や生き物、自然の微妙な変化を感じ取り、農業をはじめ暮らしに役立てて来ました。時には、天災などの危険を避ける上でも重要なものでした。自然が営む再生循環と季節の移ろいをからだ全体で感じ、それを読み解いていく。まさに自然と共生してきた証しともいえます。