暑さが峠を越え、後退し始める頃。
リンゴ、ブドウ、柿などの果物が豊かに実り、田んぼでは稲穂が重い頭を垂れています。
少ししのぎやすくなったとはいえ、日中は30度を超える暑さ。
朝方の虫の音や涼しい風に、しばしの涼を感じさせてくれる秋の入り口です。
立春から数えて二百十日(9月1日)、二百二十日(9月11日)は、台風の注意日として雑節とされてきました。昨今例年にない動きを見せる台風に、収穫を間近に控えた田畑では、気がかりな時季です。
生い茂った夏草の緑と刈った部分の茶色が、絶妙のコントラストを描いていました。やがて、その勢いは緑から茶色に移って行く事でしょう。
古代中国から伝わり、日本で根付いた農事暦。一年を二十四等分し、その季節ごとにふさわしい名前を付けた自然の暦です。
人々は、植物や生き物、自然の微妙な変化を感じ取り、農業をはじめ暮らしに役立てて来ました。時には、天災などの危険を避ける上でも重要なものでした。自然が営む再生循環と季節の移ろいをからだ全体で感じ、それを読み解いていく。まさに自然と共生してきた証しともいえます。