プロジェクト全体の大きな考え方は「長い時間をかけて作っていこう」ですが、ひとつの区切りとなる段階を迎えるまでに30年くらいかかると思います。
2009年撮影
100年以上かけて完成を目指すプロジェクトはどのように進めていくべきかを考えたとき、20~25年を一世代とすると、完成するまで三~五世代にまたがることになります。その際、第一世代である私たちが詳細な設計図を描ききって、「次の世代はこの設計図通りに進めていきないさい」という考え方は、間違いではないかと思うのです。
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世の中は、10年、20年という期間でも人々の意識や考え方が変わってくるものです。最初から設計図を決めてしまうと、後々その時代の人々が惹かれるものになっていかないのではないか。そう考えると、第一世代である私たちが、今現在やるべき仕事は、基本となる骨格の部分を決めることです。他の部分は、可能な限り余地を残す。自由度を残した形で、次の世代に引き継ぐ。第二世代はその時代に求められるものを作り、また自由度を残して第三世代に引き継ぐ。前の世代が作ったものでも、その後必要ないと判断したなら取り除いてもらってもかまわない。それぐらいの柔軟性を持って進めていくことがよいのではないかと考えています。それはまた、宗教に携わる我々だからこそ可能であると思っています。