プロジェクト MURAYAMA

はじまりは 森自体が、きちんと自立し、持続可能な状態を維持できるように作っていく必要があります。

大地の力を信じて

場跡地全体の広さは約140ヘクタールで、東京ドームの28~29個分あります。私どもが求めさせていただいたのは、そのうち4分の3、東京ドーム23個分です。広さを比較すると、奈良の東大寺の南大門から正倉院まで、それから奈良県庁から二月堂まで、それに匹敵するくらいの大きさです。その広大な土地を前に私たちが思ったのは、「まず森に戻そう」というプロジェクトです。

史を紐解いてみますと、宗教的な建築物や宗教的なエリアは、非常に長い時間をかけて造営されていることが多く、ガウディのサグラダ・ファミリアは100年以上に渡って建築がすすめられています。カトリックの総本山であるサン・ピエトロ大聖堂も数百年かけて建造されたものです。そういう意味で、この場所も世代をまたいで、何百年もかけて築く心意気をもっていこうという方向性が決まりました。

辺を見ると、村山貯水池や、『トトロの森』といわれる狭山丘陵など関東平野の非常に懐かしい自然体系が残っています。北側には狭山丘陵、南側には昭和記念公園があります。しかし、その自然もいってみれば、人の手によって再生されたものです。そうした経緯を経た土地柄なので、狭山丘陵や昭和記念公園と全く同じものを作っても意味が薄くなってしまう。それではどういう形にすることが望ましいのか。それを課題として、研究を重ねてきました。

た、工場による土壌の汚染除去だけでなく、自然の生態系を蘇らせるためには、土中のバクテリア・レベルから元気にしていく必要があります。 “木を植えました、ホースで水を与えて枯れないようにしています”というだけでは、「緑を再生しました」「森が蘇りました」とはいえません。森自体が、きちんと自立し、持続可能な状態を維持できるように作っていく必要があります。

明治神宮の森 提供:真如苑

明治神宮の森

ともとは人間の手によって作られた土地でありながら、今ではそれが意識されなくなってきた好例として、明治神宮の森があります。明治神宮の森は多くの方の献木によって100年に満たない時間で、あそこまで自然に近い森になりました。ここは工場を建てるために造成されていて、地層が自然の状態とは違った状況にあります。それも含めて、よりよい方法を求めて研究を続けている段階です。

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